こんにちは!まぁさん(@hotcampingjp)です。

キャンプやバーベキュー、車中泊など野外で電源を確保するのに、ポータブル電源があると便利ですよね。
また、災害の多い昨今では、アウトドアだけでなく防災用品としても注目を集めています。

ポータブル電源はスマホやタブレットの充電はもちろん、電気毛布や扇風機などの家電を動かすこともできちゃいます。

でも、実際に選ぶとなると「Wh(ワットアワー)やmAh(ミリアンペアアワー)」、「AC(交流)、DC(直流)」、「正弦波、疑似正弦波、矩形(くけい)波」なんていう中・高生の頃に聞いたような聞かなかったような用語がたくさん出てよく分からなかったりします。
よく使用例として書かれている電気毛布なんかも使用電力によっては、連続使用時間が短くなったり長くなったり、そもそも使えなかったりします。

そこで、今回の記事では「用語解説」や、「電気製品とつないだ時にどのくらい連続使用できるかの計算の仕方(簡単なので安心してください)」などポータブル電源選びに欠かせないポイントを解説していきたいと思います。

最後まで読んでいただければ、皆さんにピッタリのポータブル電源を選ぶための基礎知識が身につくはずです。

ポータブル電源のAC(交流)とDC(直流)って何?

ポータブル電源を選んでいるときにACとかDCとか出てきますよね。
ACやDCは電流の種類を表す用語で、ACが交流DCが直流を表しています。

AC(交流)は、いわゆる家電製品の電源として使えます。
家庭にある普通のコンセントから得られるのがAC(交流)なんですね。

逆にDC(直流)は、シガーソケットや、USBで給電するときの電流です。

AC・・・交流を表し家電製品などの電源として用いる
DC・・・直流を表しシガーソケットやUSBを流れる電流
ポータブル電源 AC DC
ACとDCの両方がついている

「ちょっとまって、スマホは家庭のコンセント(AC)から充電できるよね?」

はい。
確かにスマホはUSBなのに家庭のコンセントから充電できますね。

それはACアダプターという、交流を直流に変える装置を挟んでいるからなんです。
iPhoneでいうところのの四角い形をしている「充電器」がACアダプターというものです。

iPhoneはDC(直流)じゃないと充電できないので、ACアダプターで家庭用のコンセントから得られるAC(交流)をDC(直流)に変えてからUSBで本体につなぎ充電しているんです。

一方、モバイルバッテリーなどの、もともとDC(直流)電流を流せる機械からiPhoneを充電するときはアダプターを使わずに充電できるわけです。

ほとんどのポータブル電源にはAC電源がついているので、キャンプや車中泊で家電製品を使うことができるんです。

もちろんDCもついているのでUSBから直接スマホやタブレットを充電したり、シガーソケット経由でも電源を確保できます。

AC対応のポータブル電源にはコンセントの穴がついているので分かりやすいです。

ポータブル電源の容量mAhとWhの意味と違い

続いては、mAhとWhについて解説していきます。
ポータブル電源のバッテリー容量はmAhやWhで表記されています。

結論から言うとmAhは、スマホやタブレット、LEDランタンなどのバッテリーを搭載した電子機器を何回充電できるか知るために使う数値で、Whは電気毛布や電気ケトルなどのバッテリーを搭載していない家電製品を何時間連続で使用できるかを知るために使う数値だと思ってもらってOKです。

mAh・・・バッテリー付きの電気製品の充電回数を知りたい時
Wh・・・バッテリーのない家電製品を使うときの使用時間を知りたい時

実際の計算式はこんな感じになります。

SmartTapのPowerArQを例に使用回数を計算してみる

mAhとWhの使い方が分かったところで、キャンパーに大人気のモバイルバッテリーSmartTap(スマートタップ)のPowerArQ(パワーアーク)を例に、使用回数や使用可能時間を考えてみましょう。

スマートタップ パワーアーク
キャンパーに大人気のポータブル電源

最初にポータブル電源のバテリー容量を確認してみます。

SmartTap(スマートタップ)のPowerArQ(パワーアーク)のバッテリー容量は、626Wh / 174,000mAhです。

バッテリーがついている電気製品の充電可能回数を計算する

スマホやノートPC、バッテリー付きLEDランタンなどのバッテリーを搭載している製品はmAhで計算するんでしたよね。
ここでは、ためしにiPhoneXで計算してみましょう。

iPhoneXのバッテリー容量は2,716mAhでポータブル電源のバッテリ容量は174,000mAhです。
ですから、計算式は、

174,000÷2,716=64,06・・・となります。

つまり、約64回フル充電できるということになります。

バッテリーがついていない電気製品の使用可能時間を計算する

では次に、電気毛布や電気ケトルなどのバッテリーが付いていない電気製品の使用可能時間を計算してみましょう。

一般的な電気毛布は消費電力が40Wくらいなので、それで計算してみます。

ポータブル電源の容量は626Whなので、
計算式は、

626÷40=15.65 となります。

つまり、約15時間半使えるということになります。

たまに電化製品の電力表示がWでなくてWhと書いてあるものがありが、計算方法は同じですのでご安心を。

電気製品のmAhやWはどうやって調べるの?

大抵の電気製品にはシールで貼ってあったりしますが、スマホなどの場合は直接は書いていないので説明書の「仕様欄」などを見れる必用があります。
シールが読み取れなかったり、説明書をなくした場合には製品の型番をネットで検索すると確認できる場合が多いです。

計算通りじゃない?ロスがあるので実際の容量は7〜8割くらい

計算方法が分かったところで、ちょっと補足が必用なんですが、実は充電回数や使用可能時間は計算通りには行きません
これは、機械の事情だったり送電の事情だったりするのですが詳しく書くとマニアックになりすぎてわけわからなくなってしまうので、とりあえず実際は7〜8割程度だと思ってください。

ポータブル電源の正弦波や疑似正弦波、矩形(くけい)波ってなに?

これはポータブル電源のAC電源(コンセント)を使用した際に流れる交流電源の電圧がどのように変化するかを表しています。

結論から言うと、正弦波とか、純正弦波と書いてあるものを選んでください

なぜかというと、疑似正弦波や矩形波では精密機器を壊す場合があるので、正弦波のものを選んでおけば間違いないからです。
擬似正弦波は、単純な電気製品なら使えますがやはり正弦波を選ぶのが無難だと思います。

一応、説明しておくと、ポータブル電源が出す電流は基本的にDC(直流)です。
それを、中に入っている機械(インバーター)でAC(交流)に変えています。

そもそもAC(交流)というのは、電気の「プラス(+)」と「マイナス(ー)」が高速で入れ替わる電流のことです。
この、プラスとマイナスの入れ替えの「なめらかさ」の違いで正弦波とか矩形波とかが決まります。

正弦波 擬似正弦波 矩形波
右に行くほどジグザグ

そして、多くの家電製品は「正弦波」で使われることを想定して作られているため、他の波形だと色々不具合が出てきて最悪故障したり事故の原因になったりするわけです。

きれいな正弦波を作るために必用なインバーターは少し高価なので、モバイルバッテリー自体も少しお値段が張りますが、電気に関する知識がない場合や、子供も使う場合には迷わず正弦波を選ぶべきだと思います。

ポータブル電源の周波数

先ほど、AC(交流)はプラスとマイナスが高速で入れ替わるということを書きました。
どのくらい入れ替わるかというと、1秒間に50〜60回も入れ替わるんです。

この入れ替わりの回数を周波数といいまして、50Hz(ヘルツ)とか60Hz(ヘルツ)と表します。

日本の場合、家庭用のコンセントに送られてくる電気は東日本で50Hz、西日本で60Hzとなっています。

地域による周波数の違い
エリアに寄って周波数が違う
出典: ほくでんネットワーク

ポータブル電源は、周波数の切り替えができずに60Hzのみのものが多くあるのですが、「東日本に住んでいる人の電気製品をつないでも大丈夫なのかなぁ?」って思いますよね。

答えは、「使って大丈夫です。」

何故かというと、市販されているほとんどの電気製品は50Hzでも60Hzでも使えるように作られているからです。

ポータブル電源のコンセントには何でもさして良いのか?

次に解説したいのが、ポータブル電源についているACのコンセントに何でもかんでもつないじゃって大丈夫なのかという話です。

こちらも結論を先に書きますと、答えは「何でもかんでもつないじゃダメ」です。

詳しく解説していきますね。

電気製品というのは、その製品を動かすのに必用な電気の力(電力)が決まっていて、W(ワット)で表します

容量のところでも似たようなのがでてきましたね。

身近なもので例を上げると、ドライヤーが1000W(ワット)くらい、電子レンジの「あたため」が500Wとか600Wです。

もちろん製品によって違うのですが、だいたいこんなもんです。

そして、ここからが重要なんですが、ポータブル電源が電気製品に送れる電力というのは限界値が定められています※ポータブル電源に限らずコンセントにも定められていますが。

この、ポータブル電源に定められた限界を超える電気製品をつなぐことはできないのです。※コンセントはささりますが笑

ポータブル電源の出力
MAX300Wと書いてある

ちょっと見づらいと思うのでタップして拡大していただきたいのですが、ACのコンセントのところに「MAX300W」と書いてありますね。

これは、1000Wのドライヤーはつなぐなよ!って意味です。
40Wの電気毛布なら全然余裕だよ!とも言えます。

最近はあまりないかもしれませんが、小さな部屋とかで電子レンジを使いながら電気ポットでお湯を沸かしつつ、ドライヤーで髪を乾かしているとブレーカーが落ちたりしましたよね。
あれは、必用な電気のパワーが電気系統の限界をを超えて供給されてしまい、危険なので強制的に遮断しているのです。

ポータブル電源も同じで、出せるパワー(電力)以上に電気を使おうとするのは大変危険な行為で、異常発熱や破裂の可能性もあります。

なので、ポータブル電源を使う際には電気を得る側の電気製品の消費電力(W)をしっかり確認する必用があります。

なので、AC・DCの説明の時、電気製品例として電気ケトルを挙げましたが、電気ケトルは消費電力がかなり大きいのでハイエンドモデルのポータブル電源じゃないと使用はできないです。

DCの方はUSBとかなんで基本あんまり気にしなくてもいいと思います。

シガーソケットに外部のインバーターを差し込んでAC課する場合(そんな事するやつはほぼいないと思いますが)注意が必要です。

(補足)電力(W)と容量(Wh)、電流(mA)と容量(mAh)の違いと気にしなくて良い理由

電力であるW(ワット)と、容量であるWh(ワットアワー)など、響きや表し方が似ていてこんがらがりそうだと思うので補足しておきます。

わかりやすく人間の腕相撲で例えると、W(電力)は腕の力の強さで、Wh(容量)は腕の持久力だと思ってください。

力と、持久力です。

100Wh(ワットアワー)とは、100Wの力を1時間出し続けられる持久力があるということです。

なので、容量が1000Whの電源に100Wの電気製品をつなげると

1,000÷100で10時間ということになるんですね。

たまに、消費電力のところにもWh(ワットアワー)で表記されている電気製品がありますが、1時間あたりの消費量のことなので、W(ワット)と同じように計算して問題ないのです。

つまり、容量が1000Whの電源に100Whの消費電力の製品をつなげたときも

1,000÷100で10時間ということになります。

単位が違うのにちょっと変な感じがしますが、色々書きすぎるとわかりづらくなるので細かい計算の内容はこの記事の最後に書きます。
必用のない方(数学的な意味を知らなくてもかまわんという方)は読まなくても大丈夫です。

用語解説のまとめ

ここまでのことがわかれば、皆さんに必要なポータブル電源をちゃんと選べると思います。
まとめておきますね。

  • ACやDCは交流と直流を表していて、家電を使いたいならAC(コンセント)付きを選ぶ
  • 容量であるWhやmAhは、電気製品がバッテリー内蔵なのか、そうでないのかで使い分けて必要な分をちゃんと計算して確保する
  • 正弦波でACを作れるものを選ぶ
  • 使いたい電気製品によって出力(最大のW)の大きさを選ぶ
  • 周波数は基本的に気にしなくて良い

キャンパーにおすすめのポータブル電源

それでは、最後にキャンパーの皆さんにおすすめのポータブル電源をご紹介します。
ここで紹介するポータブル電源はすべて「正弦波」なので、あとは容量や最大出力、コンセントの口数、大きさ・重さ・デザインなどで選んでいただければいいと思います。

MaxPower(マックスパワー) PL500J

MaxPower PL500J
他の追従を許さなない圧倒的スペック
出典: Amazon

MaxPower(マックスパワー) PL500Jは圧倒的なスペックが魅力です。
三元系リチウムポリマー電池という電気自動車などに使われる極めて安全性が高く、変換効率も高いバッテリーを使用しています。
また、ファンレスなので使用時に無音です。
その他細かのところを比較してもほぼすべての点で他社製を上回る最強のポータブル電源です。

この機種については実機解説記事もあります。
【実機解説】最強のポータブル電源 MaxPower(マックスパワー)PLシリーズが凄すぎて超おすすめ!

MaxPower(マックスパワー) MP700J

中容量(580Wh)なのに高出力(700W)で超静音ファン搭載の神スペックです。
こちらも三元系三元系リチウムポリマー電池を使用。
性能の割に価格がも抑えられているので、ちょこっとに高出力の家電を使いたい方にはおすすめ。

マックスパワー MP700J
中容量・高出力は唯一無二
出典: Amazon

この機種については実機解説記事もあります。
コスパ最強のポータブル電源!マックスパワーMP700Jの実機レビュー!

SmartTap(スマートタップ)PowerArQ(パワーアーク)

スマートタップ パワーアーク
カラバリ豊富でキャンパーに大人気!
出典: Amazon

SmartTap(スマートタップ)PowerArQ(パワーアーク)は、おしゃれなのに大容量!カラバリも豊富で無骨キャンパーからおしゃれキャンパーまで幅広い支持を受けています。
保証期間も24ヶ月あるので安心できますね!

上部の持ち手がたためないので積載をビッチビチにしたい方は少し工夫が必要かも?

まぁこれだけの大容量ならほとんどの仕事はしっかりこなしてくれます!
とにかく大人気の商品で、性能は人気が保証しているといっても過言ではないでしょう。

Anker(アンカー)PowerHouse(パワーハウス)

アンカーパワーハウス
定番中の定番アンカーのパワーハウス

続いてご紹介するのはAnker(アンカー)のPowerHouse(パワーハウス)です。
こちらもポータブル電源の定番です。

ハイテクっぽいデザインが素敵です!
SmartTap(スマートタップ)PowerArQ(パワーアーク)と比べると容量や最大出力が小さいのですが、電気毛布程度ならタコ足で複数使っても問題ないレベル!

実用的なスペックと手頃な値段を組み合わせた秀才です!

Lacita(ラ・チタ) エナーボックス

ラ・チタ Lacita エナーボックス
ACが3系統で400Wのスプリンター!

Lacita(ラ・チタ)のエナーボックスはAC電源が3つもついて400Wまで対応しています。
いくつかの電力消費が大きめな家電を同時に接続しても問題ありませんが、容量が桁違いに大きいというわけではないのでスプリンタータイプのポータブル電源といったところでしょうか。

また、Lacita(ラ・チタ)エナーボックスは公式サイトから購入すれば保証期間がなんと3年!
買うなら公式サイトからがお得です。

Lacita(ラ・チタ)エナーボックス公式サイトはこちら↓↓↓


もちろんアマゾンや楽天からの購入も可能ですよ!

Jackery(ジャクリー) 700

Jackery ポータブル電源 700
容量700Wh 出力500Wのマッチョ電源

Jacker(ジャクリー)の700は、容量700Whで最大出力500Wのタフな使用に耐えるマッチョ系ポータブル電源です。

その分お値段もマッチョですが、ポータブル電源界のトップブランドですのでその安定性や信頼度は抜群です。

まとめ

ポータブル電源の用語解説を読むことで、選び方はもちろん使う上での注意点も把握できたと思います。
AC(交流)、DC(直流)、mAh(容量)、Wh(容量)、W(電力)、実施に使うときの計算方法までわかるようになったと思います。

最後にはおすすめ商品を紹介しましたが、ポータブル電源はたくさんの種類があるのでご自身の使い方にあったものを選ぶのが一番ですね。

また、ポータブル電源はキャンプや車中泊だけでなく防災用品としても優秀です。
使用しないときでも充電しておくことで、いざというときに強い味方になってくれる製品です。

良い製品を見つけて皆さんのキャンプがより楽しいものになることを願っています。

※わかりやすくするために、説明の中に一部学問的な正確性をあえて無視している部分もありますが、実用レベルでは問題ないので詳しい方も目をつぶっていただけると嬉しいです笑

補足で飛ばした部分の説明

電気製品の消費電力が、W(ワット)だったりWh(ワットアワー)で書かれたりしているときにWでもWhでも計算方法は変えなくて大丈夫だという説明をしました。
単位が違うのにいいの?と思う方に向けて補足説明します。

まず、本来のWhの意味はは容量ではなく「電力量」というものです。
電力量は、電力×時間という定義です。

Aという電気製品の消費電力をP、使用時間をtとすると

電力P(W)×使用時間t(h)=Pt(wh)

という計算になります。
つまり、消費電力PのAという電気製品をt時間使用するために必要な電力量はPt(Wh)となります。

電気製品の消費電力がWhで表記されている場合、1時間あたりの電力量を表しています。
ここでポイントになるのが1時間あたりというところです。
つまり、t=1ということです。

先程の式にt=1を代入すると、

電力P(W)×1(h)=P(Wh)

となり、P(W)=P(Wh)となります。

だから、Wで計算してもWhで計算してもいいのです。

本来、電気容量はWhやmAhなどという単位ではないのですが、一般の消費者が計算しやすいように通俗的にそのような表記になっているためにこのようなおかしな感じになります。

なので、正確に言えばmAh・Wh(電力量)相当の電気容量をもったバッテリーということなんですね。

というわけで補足の補足でした。

おしまい。